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第164回 川崎医学会講演会
::日 時 | 平成21年4月24日(金) 16:30・17:30 |
::場 所 | 別館6階大会議室 |
「スフィンゴ脂質活性タンパク:歴史、機能、その遺伝性異常による疾患」
米国ノースカロライナ大学 神経内科・精神科名誉教授
神経科学センター名誉センター長 日本学士院会員
鈴木 邦彦 先生
スフィンゴ糖脂質は疎水性であるがために、その分解には分解酵素のみならず、それ自身は触媒機能を持たない活性タンパクを必要とするものがある。 個々の活性タンパクの存在は1960年代から知られていたが、1980年代後半になって、分子生物学的、遺伝学的な性質が解明され、新たな活性タンパクも発見された。活性タンパクの欠損は、機能的に、酵素欠損と同じ結果を齎し、酵素の遺伝的欠損に対応する活性タンパク欠損症が知られている。更にノックアウトマウス実験によって、スフィンゴ糖脂質、分解酵素、活性タンパクの生理機能の複雑な相互関係が解明され、又、それまで知られてゐなかったヒトの遺伝性疾患の存在が予言された。その予言が正しかったことも 2005年になって最初の患者が発見され、証明された。