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第228回 川崎医学会講演会
:: 日 時 | 平成24年2月29日(水) 16:00・17:00 |
:: 場 所 | 図書館小講堂 |
:: 座 長 | 宮本 修 |
「マウス海馬神経回路の非対称性」
九州大学大学院理学研究院生物科学部門
准教授 伊藤 功先生
脳の左半球は言語や論理的思考において、一方右半球は音楽や直感的思考において重要な働きをするなど、左右の非対称性は脳の高次機能における基本的な特性として広く知られている。しかし、このような脳の左右差をつくりあげるしくみや、脳機能における非対称性の意義に関する分子レベルからの理解は、まだほとんど進んでいない。
近年、我々はマウス海馬の神経回路にNMDA受容体NR2Bサブユニットの非対称なシナプス分布に基づく、機能的・構造的非対称性を見いだした。これによって初めて、in vitroの実験で脳の非対称性を検出する機能的・物質的指標が得られるとともに、左右の非対称性は脳の高度な機能にだけ見られるのではなく、比較的単純な神経回路の基本的な構造や機能の中にも存在することや、脳はその構造的階層性の各レベルで様々な非対称性を持ち得ることが明らかになった。さらに、内臓器官の左右非対称な配置に異常を示すivマウスを用いた解析から、内臓と脳では左右差の形成機構に違いがあることが明らかになる等、脳の非対称性の分子基盤に関する知見も少しずつ蓄積されてきた。本講演では、マウス海馬を用いた脳の非対称性研究の現状を紹介するとともに、今後の展望について述べる。