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第245回 川崎医学会講演会
:: 日 時 | 平成24年12月12日(水) 16:00・17:00 |
:: 場 所 | 図書館小講堂 |
:: 座 長 | 砂田 芳秀 |
「筋幹細胞による筋再生制御ダイナミクス」
九州大学大学院 農学研究院 資源生物科学部門
准教授 辰巳 隆一先生
骨格筋の再生は衛星細胞と呼ばれる”眠れる筋幹細胞”の増殖活性に依存している。本講演では先ず、筋の損傷や運動に伴い負荷される物理刺激を引き金として衛星細胞が活性化し、増殖した後再び休止化する時系列制御モデルを概説する。また、分化初期に至った衛星細胞が神経軸索ガイダンス因子 semaphorin 3A (Sema3A) を合成・分泌することから、運動神経末端が再生筋線維 (あるいは新生筋線維) のどこに・いつ・どのように再接着するかを能動的に調節している可能性を提起する。更には、エネルギー代謝などの筋特性に深く関わる筋線維型(速筋型・遅筋型)を決定する鍵因子でもあることを示唆する実験データを紹介する。衛星細胞の活性化と休止化、およびSema3Aの合成・分泌がいずれも肝細胞増殖因子(HGF)濃度依存的に誘導されることから、筋肥大・再生の3つの基盤である筋線維の肥大・修復と筋繊維型の決定および神経支配の回復が、物理刺激を引き金として時系列的に進行するように巧みに自律制御されていると推測される。この「プログラムドメカノバイオロジー ダイナミクス」を理解することにより、ヒトの筋疾患・加齢・不活動による筋変性退行を抑制する筋医科学や健康科学に資すると期待される。