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過去の講演会
第179回 川崎医学会講演会
:: 日 時 | 平成22年4月28日(水) 15:00・16:00 |
:: 場 所 | 別館6階大会議室 |
:: 座 長 | 福永 仁夫 |
「結核感染診断の進歩と今後の課題」
呼吸器内科学 准教授 小橋 吉博
21世紀となり、結核感染診断はツベルクリン反応から IFN-γ release assay(IGRA)として開発されたクォンティフェロンが2006年以降、接触者検診を中心に普及している。潜在性結核や活動性結核の診断に有用とされるが、いくつかの問題点も有している。こうした新たな結核感染診断法の現状について講演したい。
「関節リウマチ由来滑膜線維芽細胞おける突然変異導入因子の異所性発現について」
免疫学 准教授 五十嵐 英哉
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)及び対照疾患、変形性関節症(Osteoarthritis:OA)から樹立した滑膜線維芽細胞(Fibroblast-like synoviocyte:FLS)の代表的な株間でマイクロアレイ解析を行い、RAの病態関連遺伝子の候補を得た。その中でBリンパ球抗体遺伝子の体細胞超突然変異に必須であるAID (Activation Induced cytidine Deaminase)が一部のRA-FLSにおいて発現され、癌抑制遺伝子p53 に突然変異が高頻度に蓄積していることを見出した。FLSにおけるAID の発現はβ-estradiol とTNFαにより誘導された。さらにRA滑膜組織における異所性AID産生細胞の局在を二重蛍光免疫染色法により確認した。関節の炎症によってFLSにAID の発現が誘導され、標的遺伝子であるp53 遺伝子に変異を導入した結果、FLSの機能異常をもたらすというRAの病態形成機構の存在が示唆された。