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過去の講演会
川崎医学会総会・医学会賞受賞講演会
:: 日 時 | 平成22年10月7日(木) 16:00・総会 (総会終了後 ひきつづき受賞講演会) |
:: 場 所 | 図書館小講堂 |
:: 座 長 | 大槻 剛巳 |
機関誌論文賞受賞
「MRL-MpJ創傷治癒形質の導入はデュシェンヌ型
筋ジストロフィーモデルの骨格筋病変を改善する」
福祉大 健康体育学科 藤野 雅広 先生
MRL-MpJマウスは米国Whister研究所で個体識別のために穿った耳穴が閉鎖するというユニークな表現型から発見された自然発症変異マウスで責任遺伝子は不明である。我々はこの創傷治癒形質MRL-MpJを交配によってデュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルマウスに導入し骨格筋線維化減少と筋萎縮・筋力低下の改善を明らかとした。MRL-MpJ形質導入は筋ジストロフィーに対する新規治療法となる可能性がある
機関誌論文賞受賞
「珪肺症における自己免疫異常の指標としての位置づけ
・可溶性IL-2受容体分子や可溶性CD40リガンド分子の意義・」
皮膚科学 林 宏明 先生
珪肺症例では様々な自己免疫異常が生じることが知られている。珪肺症例における可溶性IL-2受容体分子や可溶性CD40リガンド分子の測定とともにその意義について紹介する。
平成20年度研究奨励賞受賞
「老化関連遺伝子Klothoの腎障害進展抑制作用の解析」
腎臓・高血圧内科学 春名 克祐 先生
鍋島、黒尾らにより作成されたKlotho遺伝子変異マウスは短命、動脈硬化、骨粗鬆症を呈する老化モデルである。その表現形質は末期腎不全の病態とも重複しており、Klotho遺伝子発現部位が主として遠位尿細管であることから、Klotho遺伝子は腎不全の病態形成に重要な役割を果たしている可能性がある。我々はネフローゼ・腎不全をきたすICGNマウスにKlotho遺伝子を高発現させKlotho蛋白の腎保護作用とそのメカニズムを解析した。
研究奨励賞受賞
「尿毒素と血管内皮機能障害:尿毒素経口吸着剤AST-120によるラット腎亜全摘出モデルにおける血管内皮機能改善作用の検討」
福山市民病院 浪越 為八 先生
慢性腎臓病(CKD)患者では心血管病(CVD)の合併が生命予後に影響する。合併機序として尿毒素蓄積の関与が想定されているが、詳細は不明である。本研究では、代表的尿毒素インドキシル硫酸(IS)の蓄積がOxidative/nitrative stressを介して血管内皮機能障害を惹起し、尿毒素経口吸着剤AST-120がIS除去により血管内皮機能を改善することを明らかにした。