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第182回 川崎医学会講演会
:: 日 時 | 平成22年6月14日(月) 17:00・18:00 |
:: 場 所 | 図書館小講堂 |
:: 座 長 | 柏原 直樹 |
「The role of chromatin remodeling in regulation of alpha globin expression」
Dr Richard Gibbons
The Weatherall Institute of Molecular Medicine University of Oxford
発生や疾患の病因・病態形成にエピジェネティックな遺伝子発現制御が重要な役割を果たしている。Richard Gibbons博士はこの分野で最先端を開拓してきた臨床分子生物学者である。ATR-X症候群(貧血と精神遅滞を特徴とする)の病因がクロマチリモデリングの異常にあることを解明し、この発見に端を発し、エピジェネティックな遺伝子発現制御の基本原理の解明へと研究を展開していている。特殊な疾患の病因解明を深く掘り下げることによって、むしろ広大な生物学の基本原理の理解に行き着いたわけである。事象の本質的理解をどこまでも追求する英国オックスフォード大学のサイエンスのあり方に深い感銘を覚えるところである。川崎学園とOxford Green Templeton Collegeの共同プログラムの実質的な責任者でもあるGibbons博士の本講演は、専門分野の如何に関わらず、啓発的なものとなろう。