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第383回川崎医学会講演会
:: 日 時 | 平成29年2月20日(月) 17:00・18:00 |
:: 場 所 | 総合医療センター5階カンファレンス室1 |
:: 座 長 | 鎌田 智有 |
「EBV(Epstein-Barr virus)関連胃癌
―特徴的臨床像とその臨床的意義について-」
県立安芸津病院 消化器内科
部長 赤木 盛久先生
EBVは感染細胞を腫瘍化する能力があり、主にBリンパ球を標的とし不死化細胞へトランスフォームします。実際にはEBVの標的となる細胞はリンパ球や上皮細胞等多岐にわたり、多様な組織由来のヒト癌に関与しています。胃癌の約10%に認められるEBV関連胃癌は、ウイルス発癌という特有の成り立ちからEBV陰性胃癌に比較して極めて特徴的な臨床病理像を示します。臨床的には、男性に優位で、中等度の慢性萎縮性胃炎を背景として大半が胃の上中部に発生し、通常の分化型癌の好発部位である前庭部には少ない。組織学的には、粘膜内では分化型の組織像を呈しますが、粘膜下層に浸潤すると著明なリンパ球と低分化腺癌が結節状となり増殖するリンパ球浸潤癌(胃癌取扱い規約第14版で特殊型の一つ)の像を呈します。肉眼的には陥凹型を主体にした境界不明瞭な病変が多く、粘膜下腫瘍様の形態を呈する場合があります。近年のメタアナリシスではEBV陰性胃癌と比較して予後良好とされ、早期癌でのリンパ節転移の頻度が低いとされています。さらに2014年に発表された癌ゲノムアトラス(TCGA)プロジェクトによる胃癌ゲノムの網羅的解析により、胃癌は4つのタイプに分類されEBV関連胃癌はその中の一つを占めており分子レベルでも独特のカテゴリーを構成していることが注目されています。
本講演会では、自験例の紹介を交えつつ、EBV関連胃癌の特徴的臨床病理像と臨床的意義に関して述べたいと思います。